快適なオフィス環境とは…
かつてのオフィスは「単なる作業の場」であり、デスクを向かい合わせにする島型配置に、狭い通路といった空間が一般的でした。しかし、OA機器の普及とともに、その概念が変わってきました。
1日に8時間以上の時間を過ごすこともあるオフィスは、今や「人が生きる場」とも考えらるようになり、社員のパフォーマンスを高めるという役割を担うようになってきています。
そのために重要な要素として、
- 働きやすい空間レイアウトなど、生産性を向上させる「機能性」
- 心身をリフレッシュし、仕事の効率をアップさせる「快適性」
- 社内コミュニケーションを活性化し、知的創造を誘発する「ひらめきやすい環境」
- 耐震や入退室管理などのセキュリティに配慮した「安心・安全」
などが挙げられます。こうした要素が整うことで、社員のモチベーションが高まり、業績の向上へと結びつきます。
オフィス環境の「課題」
『働きやすいオフィス』の実現を目指し、フリーアドレスやクリエイティブオフィスなど、新しいオフィスづくりに取り組む企業が増えてきています。オフィス環境とは、デスクやチェアなどのオフィス家具や備品だけではありません。情報通信技術が発達し、オフィスを構築する要素も多様化し、その作り方や使い方も複雑化しており、業務内容とも密接に関わっています。
オフィス環境を構成するさまざまな機能・要素を意識して、それぞれの最適な組み合わせと活用面での工夫が必要となります。また、情報管理の面からのセキュリティと情報共有化、環境への配慮といった点なども昨今では欠かせない要素になっています。
しかし一方で、新しいオフィスづくりをしたものの、有効的に利用されていないというケースも多くみられます。フリーアドレスを導入したにも関わらず、座る席はいつも同じ、という話はよく聞きます。また、所在確認や日々の準備・片付けに時間がかかる、回覧物やメモ受け渡しの運用など、実際の運用例をみると問題は多くあります。
オフィス環境の「条件」
働く人が求めるオフィスに変えることによって、生産性とコミュニケーションを向上させ、パフォーマンスを上げていく。それによって企業の課題解決と業務向上へとつなげる。そのためには「オフィス戦略」を明確にすることが重要です。
オフィスを戦略的に構築することは、働く人のモチベーションを向上させ、業務の効率化につながるからです。その際に考えるべきことは、従業員同士のコミュニケーションを活発にさせる仕組みです。メンバー間の知識・ノウハウを共有していく中でこそ、新しいアイデアや気づきが生まれ、それが今までにない知的創造を生みます。さらに、働きやすいオフィス環境を作ることは、昨今の売り手市場において優秀な人材の確保と定着にもつながります。
オフィス環境の今後
事業構造が従来のモノづくりからコトづくりへとシフトしている中、新しいアイデアや知識を生み出すには、人と人との交流が不可欠になります。交流によって、自分自身を見直すこともできます。また、他者を知ることは自分自身を知ることにもつながります。
「知識社会」である現代にあって、オフィスづくりもそうした人と人との交流による知識創造のスペースや、一人ひとりが内省できるワークスペース、という視点が欠かせなくなってきています。