オフィスに緑・グリーンを

オフィスに緑・グリーンを ~オフィスに植物を配置する効果

 

1.無機質なオフィスという環境

 

一般的にオフィスは「無機質」と言われ、その世界の巨匠が「オフィスは人間の生活する場所ではない」と揶揄するほど。単純に「生産活動をする場」とだけオフィスをとらえれば、仕事をするのに必要なものがあれば良い、ということになるのでしょうが、そこにいるのは人であるということを、忘れてはならないでしょう。また、オフィスは社会で活躍する方々にとっては、その時間の大半を過ごす生活の場。そこにはやはり「生活の場としてのふさわしさ」があると言えます。

 

2.オフィスに「緑・グリーン=植物」を取り入れる

 

このような批判もあってか、オフィスに「緑・グリーン=植物」を取り入れる企業は次第に多くなりつつあります。その狙いは、以下のように整理できるのではないでしょうか。

(1)オフィスデザイン(インテリア・内装)として

まずは、デザインとしてオフィスに「緑」を取り入れる、というもので、例えば、壁のない一部のコーナーをバックヤードの物置場のように利用している場合、間仕切りの代わりに植物を利用する、というものがあります。
同じく間仕切りの代わりという意味では、応接や簡単な打合せ場所をつくる意味で、植物が使われているケースや、コピー機などの事務機を囲うなどのようにして使われているケースもあります。また、植物で囲った空間をリフレッシュスペースとして利用する、といった場合もあるようです。

また、オフィスコンセプトとして、「自然」や「植物」をテーマにしているような場合、植物あインテリアとしても積極的に利用されることになります。たとえば、その企業が、「自然との調和」「きれいな空気」などを商品・サービスとしている場合、あるいは、環境活動に積極的であることを示したい場合など、オフィスコンセプトとして「緑」をテーマにすることで、そのイメージを演出する効果がある、と言えるでしょう。

(2)空気の清浄として

植物はご存知のように二酸化炭素を吸収し、酸素を吐き出します。この性質を利用して、簡単な空気清浄機の役割を担わせようと、オフィスに「緑」を取り入れようとするものもあります。
ただ、植物のこのような機能で、「本当の意味でオフィスの空気をきれいにできるか」には、疑問があります。森のように木々で覆われているのならともかく、わずかな鉢植え程度では、空気をきれいにできる能力には限界があるからです。

(3)対ストレスとして

これまで見てきた、「緑」の持つ物理的な機能以上に、実際に注目されているのは、「緑」の「心理面に及ぼす作用」です。
厚労省の調査によれば、日本の労働者の実に6割以上が精神的ストレスを抱えており、躁・鬱や適応障害といったメンタルヘルスにおける不調が増加傾向にあるとのこと。
この対策として、2015年から従業員50名以上の企業では、ストレスチェック制度の導入が義務付けられるなど、オフィスにおけるストレス対策は重要視されています。
このような時勢を反映して、「緑」を取り入れるオフィスが増えている面があるのです。
植物の持つ多面的な効果は、これまでも明らかになっています。その効果としては、以下のようなものが上げられます。

<植物の持つ、主なストレス効果>

・屋内に設置した植物が、ストレス負荷を大きく軽減する
・ディスプレイを見ながらキーボードなどを使って行う作業時の、疲労に関する自覚症状を抑制する
・仕事への意欲や、職場環境の満足度に、好影響を与える
・植物がオフィスにあることで、心理的な混乱状態が緩和される

 

3.生きているものに触れる、ということ

 

職場は、モノやサービスを生み出す場であるのは間違いありません。実際に職場で接するものの多くがモノや機械、データ等であったりする場合も多いでしょう。しかし、そのようなモノやサービスも、人という「生きているもの」の、より良い暮らしのために提供されているはず。
その事実をオフィスにいるがために、そして、目先のことが中心になりすぎて、忘れてしまいがちであるのも事実でしょう。
そのようなとき、「植物」という「生きているもの」にに触れることは、モノやサービスを提供している先である「顧客を考えること」を思い起こさせる面があるのではないでしょうか。

また、植物という「生きているもの」は、その多くが水や肥料を必要とするなど、それなりの世話も必要とします。また、種類にもよりますが、花が咲き、枯れるものもあるでしょうし、葉が落ち、新たな芽が出るものもあるでしょう。その変化は大きくはなくても、日々成長しているわけです。
そのような植物に触れるとき、人は自分と重ね合わせる部分もあるのではないでしょうか。つまり、オフィスに「緑」があることで、自分の変化や成長に目を向けられる面もあると考えられるわけです。

 

4.実際に自然の中で仕事をする時間をつくる企業もあるが

 

オフィスに「緑」を持ち込むだけでなく、その頻度はともかくとして、「自然に触れながら仕事をする機会をつくる」企業は増えています。アウトドアオフィスというキャンプを楽しむように会議や仕事ができる施設も開設され、話題にもなっています。
そこにはさまざまな狙いがあるでしょう。「日常から離れる」ことも大きな狙いの一つのはず。

しかし、「緑」がそもそも持つ「さまざまな効果」は、日常にも持ち込めるものでもあります。オフィスを離れることも大切かもしれませんが、その前に、オフィスに「緑」を持ち込み、日常を「緑がある場」にすれば、日々の生産活動の中で効率化という果実を得られる、と言えるのではないでしょうか。

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